ブリ・ヒラマサ・カンパチは、スロージギングで狙える青物御三家と呼ばれることがあります。
その中でも、根やボトムに最も執着するのがカンパチです。
ブリ・ヒラマサはトップで釣れるんですが、カンパチだけはトップで狙えません。
特に夏場は、水深200~300Mといった深場に潜ってしまいます。
青物でありながら、深海魚の習性を持ち合わせているのがカンパチなんですね。
超大型(30kgクラス)のカンパチになると、底への執着心が強く、フォールでのアタリが圧倒的に多いくなります。
もしかすると、老体のため遊泳力がそれほど強くないのかもしれません。
[chat face="ひとり.jpg" name="ジギングマニア" align="left" border="blue" bg="none" style="maru"]私も50kgオーバーのカンパチを掛けたことがあります。[/chat]
強烈なダッシュ力があるわけではなく、どこまでもノロノロと泳いでいくような引きになります。
ただし、ドラグはどんなに締めていても簡単に引きずり出されます。
残念ながら、私は1時間もファイトできませんでした。
底から30m上げたときに、フックを折られてしまいました^^;
しかし、あの緊張感は他の魚では味わえません。
さて、カンパチをスロージギングで狙う場合は、産卵期のパターンで分けるのが基本になります。
産卵を意識した個体と、産卵を意識していない個体ではカンパチの性質が違ってきます。
カンパチの習性をしっかり把握してスロージギングで攻略していきましょう。
Contents
産卵を意識したカンパチパターン
大型カンパチを狙うなら冬~春先がおすすめ。
この時期は産卵にともない、比較的浅い水深で大型が狙えます。
父島、種子島、室戸沖では、水深80~120といった比較的浅い水深で10~50キロサイズも可能です。
産卵を意識した個体は、積極的にベイトを追いかけ回しています。
スロージギングでも、ロングタイプのジグをハイピッチで誘いましょう。
底から30Mはキレのあるアクションで誘い上げてください。
遊泳力のある30キロクラスのまでのカンパチなら余裕でボトムから追いかけてきます。
一方、潮が走っていないときやベイトの反応がない場合は底にべったり張り付いています。
そんな場合は、底付近をネチネチ叩いていくのが基本になります。
いずれにしても、その日のカンパチのやる気を判断して攻めるのが定石となります。
産卵を意識しないカンパチパターン
初秋~晩秋、晩春~初夏にかけての産卵を意識しないカンパチは、積極的にベイトを追いかけ回すわけではありません。
遊泳力の比較的弱い小型根魚、エビ、イカなどを捕食しています。
特に夏場は150~300Mの深い水深にいるので、深海魚も口にします。
食欲も旺盛で、どん欲に捕食をしてきます。
攻める側も深海を意識したスロージギングになるわけですね。
暖かい季節のカンパチを狙ったスロージギングでは、ショートタイプのジグで攻めていくのがおすすめです。
スローな誘いの中にもハイピッチで逃げ惑う魚を演出してみたり、ロングフォールを交えて様々なフォールアクションを出せるジグがあると面白いですよ。
大型カンパチに「力勝負」は厳禁!
カンパチは掛けるよりも、獲るほうが圧倒的に難しい魚のひとつと断言できます。
その難易度が上がってしまう理由が、”カンパチの圧倒的なトルク”と”根に走る習性”があることです。
オシアジガーやソルティガのフルロックでカンパチに主導権を与えず、根ズレを防ぐなんて方法も考えられます。
7~8キロサイズまでなら、このやり方で上げることは可能です。
それでも、ラインは3号~4号でリーダー80lb以上が必要です。
しかし、この太さはスロージギングロッドのガイドが耐えられる限界値に近いのではないでしょうか?
カンパチは10キロ以上になると、パワーがケタ違いになってきます。
ドラグをフルロックで、ラインを出さないスタイルでファイトしようとすると、もはやスロージギングタックルでは対応できないんですよね。
15キロ~25キロサイズも視野に入れるなら、PE5号~6号が必要になってきます。
間違いなく、ガイドの故障やロッドの破損につながります。
スロージギングではありませんが、カンパチのパワーファイトは下記の動画を参考にしてみてください。
大型カンパチは、スロージギングタックルでも釣れる!
10キロ超えのモンスターカンパチとスロージギングタックルで勝負する場合、ある特別なテクニックが必要となります。
それは、根に走り出した瞬間にクラッチを切ることです。
「えっ!?」って思いましたか?
カンパチは、”引っ張られる方向と逆に進む習性”があります。
ジギングで掛けた瞬間や巻き上げているときは、上にチカラが加わりますよね?
それを嫌ってカンパチは下に潜ろうとします。
そのタイミングでクラッチを切るのです。
クラッチを切る時間は3~5秒くらい。
バックラッシュを防ぐために、スプールは軽く押さえてくださいね。
すると、今度はジグの重さで下にチカラが加わるので、カンパチは上に泳ごうとするかステイします。
そのタイミングでクラッチを入れ、巻き上げるんですね。
この繰り返しで中層付近まで上げてくれば、カンパチは徐々に遊泳力が弱ってきます。
ほぼアングラーの勝ちとなるので、慌てずに巻き上げましょう。
この方法を使えばPE3号リーダー60lbで、30キロサイズのカンパチでも十分に上げられる可能性があります。
不安であればPE4号リーダー80lbでいいでしょう。
クラッチ切りのスロージギングファイトは、下記の動画を参考にしてみてください。
カンパチ狙いにおすすめのスロージギングロッド
カンパチのトルクに、バッドでしっかり耐えられるロッドを選択しましょう。
シマノならオシアジガーインフィニティ、ダイワならソルティガSJを奨励しています。
【オシアジガーインフィニティ】B63-5
【オシアジガーインフィニティ】B63-6
【ソルティガSJ】61B-4
【ソルティガSJ】61B-5
カンパチ狙いにおすすめのスロージギングリール
カンパチのトルクにも負けないパワーが必要です。
シマノならオシアジガーFカスタム2000HG、オシアジガー2000NR-PG、ダイワならソルティガ35NL/SJを奨励しています。
【Fカスタム】2000NR-HG
【オシアジガー】2000NR-PG
ソルティガ35N/SJ
カンパチ狙いにおすすめのスロー系ジグ
ジグの重さは150~300gくらいを用意しておきましょう。
スローピッチ
潮の流れが緩いときは、フォール主体の釣りになります。
【スティンガーバタフライ】ウイング
ハイピッチ
カンパチはハイピッチでも狙えます。
細身で水切れの良いものがおすすめです。
キングスラッシャー
【スキルジグ】ロング
カンパチ狙いにおすすめのスロージギングライン
ラインは太ければいいものではありません。
水深が70m~150mくらいを流すことが多いので、ラインの受ける抵抗も減らしたいところ。
PEラインは、3号~4号くらいがおすすめです。